飛行機に乗るとき、私はいつも通路側の席を選びます。
トイレに行きたくなったとき、隣の人に気兼ねなくすっと立ち上がれるから。
海外出張や飛行機に乗る機会が増えるにつれ、それはいつしか自分の中の「当たり前の習慣」になっていました。
ただ、今回の台湾・高雄へ向かうフライトでは、窓側のシートを選択。
日常の中で飛行機に乗る機会はそう多くありません。だからこそ、せっかくなら空の上でしか出会えない景色を見てみたい。
改めて考えると、空からの景色って特別な一瞬だと思いませんか?


機内に一歩足を踏み入れると、ちょっとだけ異国感が漂っていました。
日本人はほとんど乗っておらず、日本語が聞こえてこないその空間に身を置いた瞬間、「ああ、もう海外旅行は始まっているんだ」という旅特有の高揚感に包まれたのを覚えています。
この機体に乗った瞬間から、私の日常はもう異国の空気へと切り替わっていたのです。

成田空港の滑走路へと進むと、色々な航空会社の機体が眩しい太陽の光を浴びながら順番を待っていました。
飛ぶ前のこの時間こそ、旅の始まりを実感させてくれます。

離陸すると、眼下にはジオラマのように緻密で整然とした港や街並みが広がり、機体はぐんぐんと高度を上げて一面の雲海の上へ。
窓枠に寄り添うようにシャッターを切ります。

この写真はどのカメラで撮影したか忘れてしまいましたが、印象的な1枚です。
離陸してすぐだったでしょうか。「富士山が見えるじゃん!」とテンションが上がり、カメラの設定も何もしないままシャッターを急いで切っていました。
旅のスタートにはもってこいの盛り上がりを見せた私は、ひと段落。
そう思っていたのですが、進んでいくともっと衝撃的な風景を見ることができました。


雪を戴(いただ)く美しく静かな富士山の姿でした。
もしもいつもの癖で通路側に座っていたら、この雄大な富士山も、眼下に広がっていた街の美しい表情も、知らずに通り過ぎていたはずです。
ただの移動時間がこんなにも特別な時間に変わっていくのでした。やはり、窓側の席も魅力的すぎますね。



約4時間のフライトを終え、降り立った高雄の空港。光が反射する広いロビーや、手荷物レーンの活気ある空気の中に立ちながら、カメラのバッテリーを気にする私。
飛行機という移動をもっと楽しもう。
そう思った、台湾・高雄の旅の始まりでした。









